
オリジナルストーリー
ミカナク 山 に ラ 山 を 打 つ .
⏱ 4~7分
毎晩、プライとおばあちゃんは、高いヤンの木の下にあるシダのくぼみで眠りました。今夜、子どものホエジカは考えました。「森が眠る前、最後に聞こえるのはどの音だろう?」柔らかな葉っぱの毛布を引き上げて、耳を澄まします。小鳥が最後の一音を歌って巣へ帰りました。「きっと、これが最後の音だね」とプライはささやきました。
小鳥が静かになると、水たまりのそばでカエルが「ルプ……ルプ……」と鳴きました。プライは二回数えて待ちました。カエルが鳴きやむと、風が竹をなでます。「スー……サー……」「それなら、竹が最後の音だ」とプライは決め、葉っぱの枕を直して、もっと一生懸命に聞きました。
竹が静まっても、小川はさらさらと流れ続けました。もっと遠くでは、フクロウが一声鳴きました。プライはため息をつきました。「最後の音が、どんどん逃げていくよ。」おばあちゃんは目を開けてほほえみました。「森は、全部の音を消して眠るわけではないのかもしれないね。」
おばあちゃんは、どの音が一番か急いで決めずに、もう一度聞いてみようとプライを誘いました。カエルの声は、水たまりがそこにあると伝えます。竹の音は、そよ風が通っていると伝えます。小川の音は、水がまだ旅を続けていると伝えます。どの音も、少しずつ遠く、やさしくなりました。プライは、どの音にもつかまっている必要はありません。聞き慣れた音だと気づき、そのまま通り過ぎさせることができました。
そのときプライは、いちばん近い音に気づきました。自分のやさしい吸う息と、長く吐く息です。隣では、おばあちゃんも一定のリズムで呼吸しています。森からはまだ音がしていましたが、プライの体は温かく、重く、心地よくなりました。「最後の音なんて、なくてもいいんだね。」そうつぶやくと、森のささやきが続くなか、プライは眠りに落ちました。
世界が完全に静かになるまで、休むのを待つ必要はありません。聞き慣れた安心できる音に気づきながら、体を少しずつゆるめていくことができます。
子どものホエジカ、プライは、森が眠る前の最後の音を探して耳を澄まします。見つけたと思うたびに、もっとやさしい音が続きます。やがておばあちゃんに教えられ、森はすっかり静かにならなくても休めること、そして自分も同じだと気づきます。
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